masaka
小津夜景「いつかたこぶねになる日」を読んだ。日常の何かから思い出した漢詩を題材にして前後に散文を置くエッセイで、漢詩の訳も俳人/詩人らしく伸びやか。菅原道真とか島田忠臣とか藤原忠通など日本の漢詩の選択とそれを巡る話はなかなか面白く味わいがある。一方で住んでいるフランスに絡めた話題は導入から後半が飛躍して脱臼していたり。繊細な言葉の感覚が示されるかと思えば“挽きたてのコーヒーを淹れたカップ”みたいなので一気に読む気が失せたりして、かなり玉石混交。著者が言う「漢詩とのつきあい方を発見」はあるな。関係ないがどうしても「たこぶね」が「ねこぶた」に見えてしまう
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