masaka
デヴィッド・グレーバー+デヴィッド・ウェングロウ/酒井隆史訳「万物の黎明」を読んだ。アダムとエヴァの原罪からはじまり人間の本性は野蛮だとするホッブズ的史観と無垢な未開人が農耕革命以降ヒエラルキーや支配を生んだとするルソー的史観の二者択一に陥ってきた旧来の進化論的人類史観を根本から覆し、人類は太古からさまざまな試みを自由に行なってその根底にケアの思想があったという視点を、人類学と考古学の最新の知見をずらりと並べて説いた大著。ハラリやピンカーの「ポップ人類史」は「おもちゃをとりあげなければならない」と一刀両断にされる。本文600頁にもおよぶ上に反証のため否定すべき内容が肯定文でしばらく続いたりしてぼんやりしていると迷子になるが圧倒的な迫力である(急いで読むのには向かない)。訳文も明晰
載入新的回覆