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20240724
WWDJAPAN
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三宅健がアルバム「THE iDOL」をリリース 体現する唯一無二の“アイドル”像
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三宅健が6月5日、ソロアルバム「THE iDOL」をリリースした。30年のアイドル活動を経て三宅がたどり着いたのは、自らの職業であり生き様、そして紛れもなく現代日本を代表する文化である“アイドル”だ。
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2020年代のJ-POPらしい多種多様な音楽ジャンルを詰め込んだ仕上がりながらも、何よりも印象的なのはアルバムとしての強いトータル感。そこには三宅が愛するアートへの強いリスペクトや情熱を感じずにいられない。そして、SIRUPやMicro、WurtSら数々のアーティストと共に作り上げた各楽曲にはどれも捻りが効いていて、さらりと聴き流すことも、深く掘り下げることもできるポップソングの理想的なバランスが実現されている。7月で事務所・TOBEに移籍して1年を迎えた。三宅健はどのように「THE iDOL」にたどり着いたのか?
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三宅はインタビューの席に着きながら、腕に身につけた「ゴローズ(GORO’S)のバングルについて「14〜15歳の頃、ネイティブアメリカンに憧れて購入したんです。以来、『ゴローズ』以外のアクセサリーは身に着けないと決めたんです」と教えてくれた。「THE iDOL」にも、このインタビューでの発言にも、そんな三宅の初期衝動と継続への強い意思が通っている。
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悲しさや苦悩までも包括した“アイドル”
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WWD:三宅さんは以前、「好きなアーティストとコラボしながら、音楽を作っていきたい」といった思いを語っていました。今作にもそのコンセプトは当てはまりますか?
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三宅健(以下、三宅):そうですね。普段好きで聴いているアーティストを中心に、今の自分や今の気分に合う人たちに楽曲を提供していただきました。ただ、前作であるミニアルバム「NEWWW」(2022年11月リリース)は全体的に暗めの楽曲が多かったこともあり、「今回はよりポップに」と考え、全体的に明るめの楽曲を集めたという違いはあります。
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WWD:何よりも「THE iDOL」という直球ながらも含みの感じるタイトルが印象的です。メタ的に“アイドル”を掲げたのには、活動30周年という節目が関係しているのでしょうか?
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三宅:今回は、若手など新進気鋭のクリエイターの方々に楽曲を提供してもらうことで、30年間アイドル業をやってきた僕の新たな一面を引き出してもらいたかった。もう一つはまだ具体的には言えないのですが、自分自身を題材としたプロジェクトを考えていて、それとリンクしたものにもなっています。
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グループとしての活動を終えて一人での活動を始めるにあたり、これからの自分について深く考えました。言ってしまえば、アイドルという選択をしなくてもよかった。でも、アイドルとしてやっていくことを決意した時に、「アイドル・三宅健とは何か?」という問いとすごく向き合うことになったんですね。そんな時期に作ったのが、シングルとしてリリースをした「Ready To Dance」と「iDOLING」です。それぞれSIRUPとMicroと一緒に作った曲ですけど、僕の頭の中と彼らの意見を重ねて試行錯誤しながら作ったので、この2曲にはリアルな僕が詰まっている。「Ready To Dance」と「iDOLING」を中心に他の楽曲が集まってきたことで、「THE iDOL」というアルバムが完成しました。
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WWD:「iDOLING」はアイドルとしての華やかさだけじゃなく、苦悩までもがはっきりと描かれています。
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三宅:「iDOLING」は、ファンのみんなが「三宅健という人間そのもの」を愛してくれているのか、「アイドル三宅健」としてラベリングされた自分を好きだと言ってくれているのか、それが分からなくなり苦しんだ時期に作った曲なんです。ソロでやる、と自分で決めてスタートしたはずなのに、新しい場所で活動を始めてみたら「自分がどう見えているのか」「どう思われているのか」と考え始めてしまった。
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そもそもこの曲は以前、Microと一緒に作ったソロ曲「悲しいほどにア・イ・ド・ル」の続編なのですが、あの曲は小泉今日子さんの名曲「なんてったってアイドル」の2010年版を作ろうと、当時の自分のアイドルに対する思いや恋愛観を込めた曲なんです。そんな曲の続きを再びMicroと作るなら、自分自身が今思っていることを含め、アイドル活動30年の過去・現在・未来を落としこまないと成立しない。そう考えて、そのタイミングでの自分のリアルな苦悩も取り入れた曲になりました。
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WWD:“悲しむたびに IDOL”というフレーズが象徴するように、悩みすらも芸になるというアイドルが抱える矛盾までも歌詞になっているのが印象的です。
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三宅:僕自身、メジャーとマイナーでいえば、マイナー調の曲の方が好きなんです。「悲しいほどにア・イ・ド・ル」もそうでしたが、今回の「iDOLING」も、1970年代頃のディスコをイメージして作っていて、「思わずビートを刻んじゃう、踊りたくなる曲なんだけど、流れてくるメロディーラインはちょっと切ない」という点はコンセプトとして狙っていました。そしてファンの人たちは、僕の中から出てくるちょっとした孤独感や寂しさも感じ取って見てくれていると思うんです。そういった感情の機微までも、ギリギリのラインまでは包み隠すことなく楽曲に込めるように作りました。
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WWD:悩み、苦しんだ先に、結果的にはファンへの強い信頼を感じる作り方をされたのですね。
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三宅:はい。アルバムの内容的にも今回は2つの軸があって、一つ目は「ファンのみんなへのメッセージ」です。12曲+ボーナストラック2曲の全14曲の中には、ファンに対する僕からの暗号がたくさん散りばめられていて、このアルバムを聴いてもらえれば暗号が解き明かされるように作っています。そしてもう一つは、「誰が聴いても楽しめる、普遍的な恋愛ソング集」というもの。この2つの軸をコンセプトとして作っているので、「THE iDOL」というタイトルにしています。
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WWD:SIRUPさんとの「Ready To Dance」もMicroさんとの「iDOLING」も、三宅さんの思いやディレクションが込められている曲だと思います。それは他の楽曲でも同じですか?
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三宅:いえ、全部の収録曲がそうなってしまうとつまらないので、全曲はあえてディレクションしないようにしています。例えば、「BOY」という曲がそうですね。よく行くカフェにDJをやっているスタッフさんがいて。話をしているうちに「知り合いから『ヤバいデモができた』って曲が送られてきたんですけど」と言われ、聴いてみたらものすごく良かった。そんな、偶然のつながりからできた楽曲です。
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WWD:作為と無作為のバランスは、作品の内容やムードに大きな影響を与えますよね。
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三宅:音楽に限らずアートもそうなのですが、僕は想像する余白がある作品や表現がすごく好きなんです。だから、自分の作品にもそういう余白は残しておきたいし、その遊びを楽しんでほしいなと思います。もちろん伏線が回収されていく気持ちよさみたいなものもありますが、全ての伏線が回収される必要もないと思うし、そこに面白さがあると思うんですよね。
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WWD:三宅さんは以前「アーティストは何か生み出す存在であり、自分はあくまでアイドル」といった内容の発言をされていましたが、今作「THE iDOL」全体のコンセプト作りを含めたプロデュース/ディレクションワークからは、「アーティスト三宅健」が強くにじみ出ているように感じます。
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三宅:グループがなくなったときに、自分を何者と名乗ろうか考えたんです。その時に、やっぱりアイドルという言葉が一番しっくりきたんですよね。言葉の捉え方は人それぞれですが、僕の場合は0から何かをクリエイトする人がクリエイターでありアーティストだという認識があるし、周りにも友だちにもそういう優秀なクリエイターやアーティストの人たちがいるんです。だから、「表現者?……違う」。「アーティスト?……違う」って。もちろん自分はアート思考でものを考えるのが好きだし、クリエイティブなことも好きなので、そこの追求はしたい。
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けれども、自分の中にクリエイターやアーティストへの強いリスペクトがあるからこそ「名乗りたくない」と思いました。改めてアイドルという言葉を辞書で調べたら、偶像や幻想という言葉が出てきて、それを見た時、「アイドル=何者にもなり得る存在」と捉えたんです。
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WWD:なるほど。
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三宅:だから今回の「THE iDOL」というアルバムは、タイムレスでジャンルレスな作品にしたいと思いました。なぜなら、アイドルという存在自体がボーダーを超えられる特性を持っているからです。何色にでも染まることができて、自由に色々な所を行き来できる存在=アイドル。それは音楽性だけの話じゃなく、仕事の面でもそうです。バラエティをやることもあれば、お芝居の仕事をすることもあれば、歌唱することもある。だから、僕は今改めて、アイドルと名乗りたいと思ったんです。
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WWD:近年、三宅さんの発言や動きからは、アイドル文化への課題意識やその改善を目指す意思が感じられます。
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三宅:おこがましいようであまり声高に言いたくはないのですが、自分自身が30年アイドルをやってきた中で、偉大な先輩たちがアイドルという仕事の枠を広げてくれた恩恵を強く感じていて、彼らへのリスペクトや感謝がある。そして、アイドルという文化に強い可能性を感じるからこそ、アップデートできたらと。というのも、どうしてもアイドルって専門性がないように見えて軽んじられたり、あるいは短期的に消費されたりする文化が日本には根付いている。この状況を良い方向性に変えてゆきたいという気持ちがあります。
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WWD:短期的な消費という点は、特に女性アイドルにおいて指摘されるポイントだと思いますが、男性もそこは同じだと感じられますか?
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三宅:そうですね。男性アイドルの場合、僕らの世代ではSMAPがすごく活動の場を広げてくれた存在です。その恩恵を僕らは受けている。でも、今は僕らの時以上にアイドル戦国時代で、いろんなアイドルの形があって、生き残っていくことは本当に大変な時代だと思います。そんな時代だからこそ、僕は、アイドルとその外側の何かを掛け合わせることで、後進のアイドルに新しい道を作ることができたらいいなと思っています。
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WWD:たしかにSMAPは年齢的にも活動範囲の点でも、アイドルの枠組みを広げた存在ですよね。
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三宅:SMAPは間違いなく僕の中での揺るぎないアイドル像であって、多感な時期を一緒に過ごすことができた青春そのものです。だから、それはずっと色褪せない存在ですね。
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WWD:「iDOLING」のMVのダンスシーンには、三宅さんがリスペクトする中居正広さんを経由してマイケル・ジャクソンへ至るような、アイドル文化の歴史へのリスペクトを感じました。そうした「アイドル文化の継承」は、三宅さんが意識されているポイントですか?
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三宅:「継承しよう」と意識して活動しているわけではないです。ただ、自分がアイドルとして30年活動してきた中で、自分がこれからのアイドルの道を構築していくのかを考えるべき立場や世代になってきたのは間違いないですね。日々、「自分は何をすればいいのか」「アイドル・三宅健には何ができるのか」といったことは考えています。三宅健が「アイドル・三宅健」を作っていく。それを生涯かけて続けることができれば、それはいつかどこかである種の「創作活動」になるのではないかと思っています。
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