いしだです
迷子になったル。神社のような、それにしては陰鬱な建物。中には誰もいなくて、でも帰り道は分からない。「きみは、どこからきたの?」「だあれ?」「僕は、ここのかみさま。きみは?」「かみさま?…おれはルカ、父さんと近くの別荘にあそびにきていたんだけど…」「迷った?」「うん…」「願ってくれるなら、叶えてあげられるよ」「ほんと?」「うん。ただ、君のだいじなものをひとつちょうだい。なんでもいいよ。」「だいじなもの…おれ今、何ももってないよ…」「うーん、その髪留めは?」「え、まあ、気に入ってはいるけど…」「ならいいよ、それ僕にくれる?」「これでいいの?」「だいじではあるでしょう?」 「うん」「ならいいよ。…あー、僕うごけないから、そこへ置いて。」「動けない?」「かみさまだからね。」
いしだです
神様として祀られている呪の話。その力ゆえになんでも(呪うことで)叶えられるから、神様。本当は呪術師の家系だし家族もいたんだけど、力が強すぎて狩られてしまった。シュウはその償いとして建物に縛られている。
すべてを人間に管理されて、重たい着物と伸ばし続けた髪でろくに動けやしないし、身も心も傷めつけられているから逃げようって意志がそもそもぽっきり折れている。
本来は人間なんてどうにでも出来るけどシュウの優しさに漬け込んで「そんな非道なことはできない」と勘違いさせられてる。もっと非道なことされてるのに。
祀るといっても管理されているだけで、商売道具としてめちゃ使われているので「対価をもらって願いを叶える」が常。
ルカはまあ子供だし、いつもなら監視の下で行われる神事(名目上)だけど誰もいないしいいかって感じ。
いしだです
自分も幼くはある。
いしだです
「もうここへは来ちゃだめだよ」「どうして?」「どうしても。」「じゃあ、少しだけきみと話していい?」「あー、…うん、もう少ししたら人がくるから、それまでね。」「わかった!」
いしだです
「きみの願いは誰が叶えるの?」「え、…僕の願いは、みんなの願いを叶えることだよ。」「それはだれかの願いだろ?シュウのやりたいことはなあに?」「…、ないよ。かみさまだから。」「…」「ほら、そろそろ僕の身を清めに人がくるから。きみをお父さんのところへ連れて行くよ。ちからをぬいてね。」「シュウ、」「大丈夫だよ、きおくも消しておくから、もうここへは来なくてすむ。」「えっ、待って、そんなの」「お別れだよ。たのしかった、はじめて。ありがとう、ルカ。」
いしだです
ルカさん頑張って思い出して頑張って迎えにきてあげてね!あとよろしく!!
いしだです
susなところへいくと「身を清める」が濁っているのもあり。これもお清めだからって教え込まれているし自分以外にいないので間違っているともわからない。ルカと共にいれることになってからはそれが違うことも、本当は気持ち悪くも嫌なことでもないことも教えてもらうといい。人外がだんだん人間になっていく話。
いしだです
寿命が違うことはまだ知らないので、今後そこでまた一悶着。
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