【Tatsuhisa's Diary-一つ一つ。】
一つ一つ。 — Diary
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事務所の後輩と話す機会があり、こんな問いかけをされた。
「達央さんは、今まで演じられてきた作品の台本って、どうされてるんですか。」
俺は、製本されている台本は全部保管してある。製本されていないものも、最初は保管していたのだが、どうにも上手く保管できる方法が見つからず、丁重に処分させていただいた。

実家の部屋を使って保管しているのだが、14年分ともなると、少々場所を取るのだが、戻った際に見返したりすると、その時の自分の事を思い出し、そして役への向き合い方を思い出し、色々と過去の自分から学ぶこともある。

それに、役を得られるという事は「どういう事なのか」という事を、先輩達から沢山教えていただいた事や、自分自身もそれを実感する事が多かった事もあり、名前の無い役を演ずること、名前付きの役を演ずることの嬉しさや興奮を思い出す良い機会にもなる。

最近、昔から先輩に言われている「台詞に血肉を通わせろ。」という言葉を反芻する。
役を人に進ませるのは、どうにも難しい。
10年以上前から言われている事なのに、未だに悩む難題だ。
でも、それを考えながら台本を読むと、死ぬ程楽しい。